しゅーちゃんの去勢日記
Part1 去勢の決意に至るまで

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うさぎの去勢について考えはじめて困ったことがあります。避妊についてなら、最近いろいろ問いただされているので情報量が多いのですが、去勢についてはまだそれほどの必要性がない為か、情報が乏しいのです。オスは去勢をしなくても大丈夫という考えの方が多いようで、だいたいのところ「本当に困った場合にはしましょう」に近い記述ばかり。私は、去勢させるとなったらやはりもっともっと去勢手術に関する細かな情報が欲しい!それに加えて、どういう状態だったから去勢を考え手術に至ったか、去勢後の変化はどう現れたかというところまでの、実際に去勢した時の経験談を読んでみたい!と切実に思いました。
  今回うちのしゅーちゃんが去勢を行いましたので、闘病ではないけれど日記として書き綴ってみました。♂うさぎの去勢を考え、お悩みの方々のご参考になればと思います。


1999年10月16日(土)

我が家にロップイヤーの男の子しゅーちゃんがやってきた!生年月日ははっきりしないけど生後2.5ヶ月くらい。ちょっと長めでとっても柔らかなシュークリーム色の毛を持つそれはそれは愛らしい男の子。ちょこっとボケた感じがまたまた可愛い〜。
  当日は半透明の衣装ケースをとりあえずのおうちとして使ってもらう。時おり衣装ケースの中から必死に爪先立ちで背伸びをし、顔をぴょこっと覗かせてこちらの様子を伺っている。お腹がぽんぽんで、うさぎには見えない。あんたほんとは犬でしょ?


10月17日

掃除が済んだので、しゅーちゃんをうさが使用していたケージに移す。(上の住ぴょんはぴーちゃん)売られていた時よりもずーっとずっと広いおうちにちょっとオドオド。でもすぐに気に入り慣れる。
  その後、しゅーちゃんを部屋の中で遊ばせてみる。色んなにおいを気にしつつも、ちょこまかと動き回る。ちょこっと走るとすぐに疲れて冷たいフローリング面を選んでびろ〜っと伸びる。伸びている時にはどこを触られても全く気にする様子も無く、片足を持ち上げられようが耳を覗かれようが両手をつかんでちょっと引きずろうが平気。これはきっとおとなしいのんびりうさぎに違いない!今後のしゅーちゃんとのまったりライフが思い描かれる・・・。 


10月18日

  しゅーちゃんとぴーちゃんをケージ越しに御対面させようと、しゅーのケージ周りに目隠ししておいたバスタオルを取り去る。しゅーはケージの中で、ぴーは部屋に出ている状態。ずっとしゅーの存在を気にしまくっていたぴーはすぐにしゅーの元へ近付いて行く。しゅーもぴーに引き寄せられる。その瞬間、「ブッブーッ!!(しゅー♂)」「キュッキュー!!(ぴー♀)」お互いに前足でパンチの連続、口も大きく開けてお互いに噛み付こうとしている。すぐに2羽を引き離す。予想外の出来事。まさか、まだおチビのおっとりしゅーちゃんがあんなに攻撃的になるなんて。よっぽど怖かったのね。その後も近づけば大声あげながら攻撃し合う2羽。このままではおチビしゅーちゃんが姉御ぴーちゃんにやられてしまう・・・。仕方がないのでしゅーのケージ周りに目の細かい金網を張りめぐらせた。更には、バスタオルで目隠しも。今日はしゅーの意外な一面を見た。ぴーちゃんたら、早くもしゅーを鍛える気?


11月1日

   ぴーは最近はもう、しゅーの存在を認め、攻撃しなくなった。でもしゅーの方は案外しつこくぴーを気にしていて、ぴーが接近しただけでケージの内側から思いっきり「ブーブー」わめいてパンチしている。なんと!ケンカを仕掛けるのはぴーではなくしゅーの方だった。しゅーはまだ生後3ヶ月。可愛い顔して喧嘩っ早い。ぴーはもう相手にしていないが、しゅーのことはやっぱり気になる様で、よせばいいのにバスタオルをめくってまでしゅーを覗き込む。


12月1日

  ようやくしゅーもぴーの存在を受け入れる。ここ最近はしゅーのケージにバスタオル目隠しをせずにぴーを遊ばせているが、ぴーが寄って来てもしゅーは攻撃しない。逆にうれしそう。鼻を思いっきり金網にくっつけて臭いを嗅いでいる状態。ぴーがメスだということを認識したようだ。
生後4ヶ月。メスの存在を認識し、オスの自覚が出てきたのか、最近しゅーは「飛びしっこ」を覚えた。ケージから出るとトイレ場に走りこんで飛びしっこする。  


12月9日

  とうとうしゅーのケージの金網を外した。もう完全に安心していられる。しゅーとぴーはもうケンカしない。 最近、しゅーの♂としての行動が色々見られるようになる。飛びしっことマウンティング。マウンティング対象は、うさママの履いているうさタンスリッパ。歩いているとからまってくるし、イスに座るとスリッパを抱え込んで腰をフリフリ。


12月12日

飛びしっこ、マウンティング、覚えてしまったら最高にタチが悪い。飛びしっこは日に日に凄まじくなっていく。マウンティングも相当しつこい。あまりにスリッパにからむので、スリッパを手に履いて動かし、マウンティングしそうになると逃げたり、逆にしゅーに乗っかってみたりという行為を繰り返した。すると、しゅーはスリッパに対して攻撃を仕掛けてくるようになった。スリッパにとびかかり、しっかりと噛み付いて前足でスリッパを抱え込んだらうさぎキックの連発!なかなか強いし、しつこい。格闘技の素質あり。「闘ぴょん」や「ぴょん1GP」があったら間違いなくいい線まで勝ち残るだろう(?)


2000年1月総まとめ日記

【飛びしっこ(スプレー行為)】

ひどい。ひどすぎる。半径1.5mの綺麗な弧を描く。お見事。更に最近ではスプレー行為のために、ケージ内でのオシッコを極力我慢しているらしい。うさママの肩に飛び乗ってぴーちゃんちを覗き見すれば、肩の上でうれションまでする。外見だけでなく内面まで犬のようなヤツ・・・。ためしっこ対策に、遊ばせる時間帯を色々変えてみてもあまり効果なし。

  飛びしっこ対策として、トイレ設置場付近に大きな片面塗りのベニヤ板等でついたてを作成し、ソファにかからないようガードしている。飛びしっこされたらフローリング、ローボード、ついたてを毎回雑巾で拭いている。これみよがしに拭くと、わざとまた飛びしっこされるので、隙を狙って行う。

   最近は、トイレ場でまずダイナミックに飛びしっこした後、部屋のあちこちをホリホリしながら「ちょい飛びしっこ」もする。これは塞ぎようがないので、雑巾+消臭スプレーで対処するのみ。

  カーテンも飛びしっこやホリホリの被害に遭うので、昼間はカーテンが床につかないように半分から折ってタッセルで束ねている。トイレ場でのとびしっこ以外は、ホリホリしてるうちに興奮してしてしまう様子。でもカーテンもじゅうたんもほられては困る。そこで、ホリホリ場を作成。ダンボールの1箇所に出入り口を開け、なかに新聞を入れておく。すると、暗くて狭い穴が好きなうさぎの本能で、もぐっていって新聞を思いっきりホリホリ。その際に興奮してオシッコ。これで少しは他の場所への被害が少なく・・・はならなかった。これはこれ、よそはよそ、らしい。

  更には何故かうさママにしっこをかけていく・・・。下に見られているのか、愛情表現なのか定かではないが(どちらの場合もあるらしい)、うさママは日に3度もお着替えする時もある。おしゃれな司会者じゃないのに。お陰様で洗濯物の量は半端ではない。

  当初しばらく、飛びしっこは部屋に出した時だけだったのに、最近ではケージ内での飛びしっこも目立つようになってきた。相当やばい。


【撒きフン】

オシッコだけでは足らず、うんちでもにおいつけ、縄張り確保をする。飛びしっこが一段落すると、続いてうんちポロポロ。あっちこっちにおいを嗅いではその場にうんちを落としていく。うんちをたどればしゅーちゃんにたどり着く。

  撒きフン対策は、とにかく後をついていってミニほうき&ちりとりセットで拾うのみ。我が家のじゅうたんは黒色も混じってペルシャちっくな模様がついている為、うんちが非常に見つけにくく、何度も地雷を踏むことが・・・。

  飛びしっこ同様、最近ではケージ内でもうんちを撒き散らしている。少し前まではケージ内のトイレに関しては、ほぼ完璧な子だったのに。


【マウンティング】

覚えてしまったサル状態。毎日毎日発情しまくりやがり。
日に3度は腰フリフリ→「キュー!」→パタッ!(失神) 失神までいかないのを含めれば、日に10回近くは・・・。

  マウンティング対策としては、人間が手足でさせてしまうことで、うさぎに自分が優位だと感じさせてしまうということなので、当初はスリッパを履いた足に絡ませていたが、今は手足は絶対に貸さない。代わりにしゅーの体より小さなうさぎのぬいぐるみ「うさこちゃん」を与えている。足や手に絡まってきたら振りほどき、うさこちゃんを抱えさせる。更に、発情を助長しない為に、ぴーちゃんが部屋で遊んでいる時間は、しゅーのケージはバスタオルで目隠し・・・しても匂いでわかっちゃうみたい。更にはぴーちゃんが喜んでタオルをめくってしゅーを舐め舐めしてるしぃ〜。


【攻撃】

うさタンスリッパをちょっとでもちらつかせようものなら、ぴょん格(人格)が豹変。どこからでも「ブーッ!」と言いながら猛ダッシュで飛んできてガブっ!食いついたら離れないスッポン状態。さらにはケリの応酬。これにはうさママも何度もまきぞいを食う。ぴょん相(人相)まで変わっちゃって本気で飛び掛かってくるから、誤って噛まれたりひっかかれた傷は相当深く、1ヶ月経っても傷跡が消えないほど。

攻撃対策としては、うさタンスリッパは履かない、見せない。♪うさママ〜、今年の冬はぁ、普通のスリッパ〜。あぁ〜、足が冷たい・・・♪何の為にうさタンスリッパを新調したやら。不思議とうさタンスリッパ以外のアニマルスリッパは平気みたいでうさパパは助かっているの。


結論に至る

 いっぱいいっぱい悩みました。この2ヶ月間。去勢のこともずっとずっと頭にありました。うさぎの去勢に限らず、犬や猫について書かれている物まで片っ端から読み、友人達にも意見を聞き、自分なりに色んな対策も練ってどうにかしゅーと快適に暮らしていこうと努力しました。
  その結果、止むを得ず去勢を決意しました。「止むを得ず」というのは、少し前までうさママは「去勢」ってオスうさぎには必要の無いものだと考えていたから・・・。昨年お月様に帰ったうさちゃんは、オスでも問題行動に困らせられたということがなかったの。そりゃぁ飛びしっこはしました。しゅーの飛びしっこが「びゃびゃびゃびゃびゃ〜〜っ!」とすれば、うさのは「ぴゃっ!」ってくらい。それも、するのはぴーちゃんとニアミスした時で、ぴーちゃんにかける為。それと、たまに猛ダッシュして大興奮中にちょっと、あとはお布団のしのし中に興奮してちょっと。マウンティング行為は、人間やぬいぐるみに対しては皆無。発情すると「ブッブッ」言いながら足の回りをくるくる走りましたが、抱え込んだりはしなかった。ぴーちゃんだけ、ぴーちゃんでないと腰が振れませんでした。ぴーちゃんだったら、お尻じゃなくて頭でも良かったの。それと攻撃性はゼロ。そんな子だったから、うさママはオスうさぎの去勢なんて考えたことも無かったんです。
  
  今回しゅーちゃんと暮らしてみて、あまりのオスらしさにびっくり!うさぎってこんなにこんなに違うものなのね〜と初めは感心したり、それが面白かったりしました。ところが、日が経つにつれ、度が過ぎてきてうさママは相当な疲労を感じるほどになりました。しゅーはかわいい。本当にかわいい。飛びしっこかけられても、誤って噛みつかれて出血しても、それでもめちゃくちゃかわいい。けどね、飛びしっこ拭きにうんち拾いで、今も腰痛に悩まされています。あっちこっちをホリホリして飛びしっこするのを防ぐ為に、部屋を小走りしてしゅーの気をひきつけます。うさママがそろそろやめようと思っていても、しゅーが「もっと遊んで」とばかりに足にからまって来るので、お付き合いします。結局しゅーが床に伸びて休んでいる間だけしかうさママも休めない。でもその隙に雑巾を洗ったり、しゅーがちらかした新聞等を片付けなくてはならないので動き出すと、すぐに「なになに?」とまた寄って来てしまう。うさママはしゅーを部屋で遊ばせている間中は立ちっぱなしの為、本当はいっぱい遊ばせてあげたいんだけど、せいぜい2時間がいいところ。昼間2時間、夜1時間と分けて遊ばせています。 これでは外出もままならず、正月や盆に実家にも連れて帰れない。
   
  オスとメスの複数飼いって難しいな〜って改めて思いました。うさのように性格の穏やかなタイプ、なおかつ初めから一緒に育ってくればある程度うまく暮らしていけるのかもしれません。しゅーは、性格がやんちゃで本能のままに行動する野生児タイプ。そこへ年上熟女のお色気が・・・。これでは発情しまくるかも。年中発情っていうのも、しゅーにとって相当なストレスになるはず。ホルモンバランスも狂うと聞きます。だったらかなり大きなものだけど手術という1回きりの大ストレスを乗り切ってもらっちゃおうかしら?  
そんなこんなで、去勢を真剣に考え出しました。


去勢を決意した3つの要因とはっ!?


@問題行動の程度

   さんざん述べたように、とにかく大変でした。去勢手術によって「完治」「軽減」「変化なし」の場合があるといいます。100%改善するとは言い切れないので、賭けに近いものだけど、ちょっとでも軽減する可能性があるなら、しゅーには悪いけどかけてみようじゃないの!うさママは、もちろんうさぎの本能のままの行動を悪いとは思っていないし、出来れば尊重してあげたいと考えています。しかし、家族として、パートナーとして末永く一緒に暮らしていくうえで、どうしても暮らしやすさや安全性も求めてしまう・・・。私のエゴだけどね。

A繁殖予定なし
   うちには5歳になったメスうさぎぴーちゃんがいます。まだまだ元気で盛っていますが、もちろんもう安全に繁殖させられる年齢は越してるし、さらにはぴーはMIX(雑種ミニウサギ)、しゅーはロップイヤー、間違いでも起こった日には異種交配になってしまう。だからといって、しゅーのお嫁さんを迎える予定はなし。うちのうさぎ家族は2羽までが精一杯、3羽は余裕がありません。

B信頼できる病院
   去勢手術は避妊手術よりも簡単で時間も短く、負担も少ない、料金も安いといいますが、でも、全身麻酔は必要です。全身麻酔って未だにとっても怖く不安なイメージがあります。だからうさぎのオペをしなれてない獣医さんには絶対にお任せなんてできません。ラッキーなことに、ちょっと遠いけど車で行きやすいところにうさぎに安心と評判の動物病院がありました。うさが亡くなってから、まだ辛くて、どうしてもうさのお世話になった病院へ足を運ぶことが出来ず、しゅーとぴーの健康診断は別の病院を探しました。そこでとある有名な獣医さんの動物病院が、車の地図上でみるととっても行き易いことに気付き、しゅーとぴーを連れて行ったのです。その際、通院の必要が出て来てしまい、何度かお世話になりました。病院のスタッフや先生方の感じもよく、さすがにうさぎ患者も多く、安心してお任せできると感じました。去勢について真剣に悩み始めてから電話で相談もしてみましたが、手術内容も細かく説明してくださって、「麻酔は危険」「成功率は・・・」なんて言葉も全く出ず、手術内容も安全なもので、とっても安心。ここなら手術を任せられるわ!


  3つの要因のうち一番を占めるのはやはりBでしょうか。もし、信頼できる病院が無ければ、危険は冒したくないので、去勢は諦めたと思います。