うさの皮膚病

うさの皮膚病については、かれこれ3年ほど前からの持病(?)で、今現在まで続いております。(回復しても、しばらくして何度となく再発を繰り返している)日記形式で書いていると1冊の本が出来てしまいますので、今まで試した治療法とその結果をまとめて書くことにしました。


はじめに症状が出たときの様子
当時「うさ」1歳半。
 しきりに足を舐めているので良く見ると、左足の甲の毛が数箇所ハゲて、ピンクの地肌が見えている。湿疹のようなプツプツが確認できる。ノミ・ダニ?でもついてしまったのかと、シャンプーを試みたり、家庭用のかゆみ止め軟膏を塗ったりしたところ、毛が生えてきてわりと良くなったが、またしばらくするとひどくなる。そんなこんなの繰り返し。

ある日、足の状態が悪化。患部が広がり、かゆみが強いらしく自分でカプカプかじって足を血だらけにしてしまった。痛みも伴うようで、左足を前方へ伸ばした状態で座っている。病院へ連れて行くことを決める。電話帳でうさぎを診てくれる病院を探し、うさを連れて行く。


1件目の病院での診察と処置
獣医さんに症状を説明し、足の状態を見ていただく。ライトの下でルーペで毛を掻き分けて患部を見た獣医さん、「これは、猫によくある湿疹だね。」との診断。病名は告げられず。原因特定もない為、ノミ・ダニ等か、細菌等によるものかも不明。
 多分かゆみを止めるものだとは思うが、注射を1本打つ。さらに、患部にかゆみ止めのスプレー状の薬を噴きかける。「自分で舐めてしまうのが一番良くない。舐めてしまうから治りが遅くなる。」とのことで、首の周りにカラーを巻く。スプレー状の薬(外用噴霧薬)を1本処方され、1日数回患部につけるように言われる。


治療法その1 (カラーと噴霧薬)
 うさにはカラーが大きすぎる為、歩くとカラーが床に引っかかり、首が圧迫されてしまう。また、餌入れの容器に口がつかない。そこでまずはカラーを少し短く切ってみる。それでも歩きにくいし餌も食べづらい感じ。でも仕方がない。
 
 カラーを付けたことによって「舐められない」というのは目に見えて効果あり!しかし大問題が発生。カラーがある為に、毛づくろいが出来ず、もちろん食糞も出来ない。うさ自身は食糞するつもりで後ろ足で立ち上がって盲腸糞を出すのだが、肛門に顔を近づけても、盲腸糞は口には届かず、カラーのふちにベットリ。カラーにベタベタ盲腸糞を付けたままの状態で、歩き回り、餌を食べようとする為、ケージ内はあちこちに盲腸糞だらけ!でもこれはどうしようもないので、掃除する。

 カラー生活をしばらく続けていたところ、もっと困った大問題発生!ケージ内の盲腸糞のベタベタに加えて、うさの通常の糞までベタベタに・・・。カラーによるストレスで下痢になってしまったようで、毎日毎日下痢続き。足は治したいが、下痢が続くことの方がうさにダメージを与えると思い、思い切ってカラーを外すことにした。カラーを外してからは、下痢はピッタリ治まった。
カラーの取れたうさは、とっても生き生き!しかし、今までの抑制からの反発もあって、左足患部を舐めまくる。少しは良くなってきていたのに、今までの努力が水の泡・・・。


治療法その2 (噴霧薬と包帯)
 カラーなしでも足が舐められないように、次の作戦を決行する。直接足を舐められないように患部に包帯を巻く。はじめ気にしていたが、少し経つと舐めなくなったのでこれはいけるかな?と期待。しかし、期待は無残にも打ち砕かれる。包帯は細かな切れ端となってケージの床に散乱し、うさの足は血だらけに・・・。


治療法その3 (市販の動物用皮膚病治療薬と包帯とギプス)
 包帯では噛み切られてしまうので、またまた次の作戦を決行。かじれないような固いものを巻けばいい!今回からスプレー薬は廃止。市販の動物用皮膚病治療薬(寄生虫・湿疹・アレルギー性皮膚炎・掻痒性皮膚炎・じんましん・皮膚糸状菌症に効果があると書かれていた)
購入し、それを塗ってガーゼを巻いてから、包帯を巻く。次に、ビデオテープのケースで工作した「簡易うさ足ギプス」をはめる。柔らかいプラスチックなので容易に曲げて作ることができた。かじれるような取っ掛かりがないので、うさもこれならかじれない。はじめちょっと歩きにくそうだったが、すぐに慣れてくれた。2日に1度ギプスを取り替える。かじれないので、患部が今以上にひどくなることはない。かじって出来た傷も、かさぶたとなる。
結果  一番はじめに足をかゆがってから約半年近くかかって完治。(きれいに毛が生えそろうまで)こんなに長くなってしまったのは、途中でギプスが取れてしまったこともあり、何度もうさが患部を舐めて白紙に戻ってしまった為。ほんとに舐めなければもっと早く良くなったはず。
 今回の治療で、市販のカラーは「うさ」には向かないということを知りました。まず、うちの子には大きすぎるし、重すぎる。それに、カラーをしていると耳が立って圧迫されたままになります。また、食糞も出来ないので、うさぎの体調に影響を与え、うちの「うさ」のようにストレス性の下痢になることもありえます。


再発  きれいに完治してから、数ヶ月後、またまた再発。前と同じ場所、左足の甲の毛が薄くなって地肌のピンクが見え隠れ。数日後には、カプカプかじって血がにじむ。

治療法その4  (市販の動物用皮膚病薬と包帯と自家製カラー)   
  カラーをしたほうが治りが早いということは既に分かっている。自家製ギプスは、足にはめるのが大変、という理由で今回は、カラーを工作。軽くなるように、サイズ調整が楽に出来るように、お菓子の空箱(厚紙)を利用。耳が圧迫されないように耳のところは覆わないようにカット。首周りと耳周りの紙の切り口部分にはティッシュを折ったものを両面テープで貼ってクッションとする。足は、前回使用した市販の動物用皮膚治療薬を塗って、ガーゼで覆い、包帯をする。(カラーがあるので、ギプスはしない。)

 1日中カラーをつけていると大変不便そうなので、今回は見てあげられない時間帯のみカラーをつける。家を留守にするときや、寝るとき以外は包帯のみ。足を気にしだしたら止めに入る。

 カラーがきついと可愛そうだし、耳の切りこみのおかげで首周りが少々ゆるくても回らないと思い、ゆるめにカラーをまいていたところ、やられた!夜寝る前にカラーを巻いて、翌朝みてみると、カラーがくるりと回っている。耳の切りこみ部分が口のところにきてしまっていて、足が舐められる状態に。案の定、包帯はとられて足は血だらけ


治療法その5(市販の動物用皮膚病薬と指包帯)
 家庭の薬箱の中に、以前に買っておいた「指包帯」をみつける。人間用のもので、手袋の指1本分をカットしたような形状。伸縮性があり、見るからにうさの足にジャストフィットしそうなサイズ。早速使用してみる。まず、薬を塗ってガーゼで覆い、そこに指包帯をはかせる。何とピッタリ!うさのための靴下のようだ。しかし、すぐに口で引っ張って脱いでしまった。ちょっとゆるい?今度は、いつも通り包帯まで巻いて、包帯の上に指包帯をはかせる。きつくはないが、包帯のでこぼこがある為、口で引っ張っても脱げない。大成功!

 指包帯をしている間は、足を直接舐められないので、回復する。指包帯は、メーカーによっては、ネット状の指包帯もあり、それだとかじりやすいようで、指先に穴をあけられ、包帯を噛み切られたこともある。ネット式ではない網目の細かいものだと、かじられない。今までの治療よりは確実で治りが早い


2件目病院での診察と処置


 皮膚病の方の足の爪が折れたため、病院へ。(折れてから3日後くらい)
引越し後の為、電話帳で近くの病院を探して連れて行く。

 爪の折れた指は、もう傷口もふさがっており、爪が根元からきれいに折れているので、もう大丈夫とのこと。ついでに足の皮膚炎のこと、過去の治療法を話したところ、「体内から治しましょう」ということで、内服薬を処方される。         


治療法その6  (内服薬と市販の皮膚病薬と指包帯)
 今までの治療プラス内服薬を使用。朝晩2回飲ませる。(包帯については獣医さんの指示はとくになかった)数日経った時点で、ほんとにかゆみが押さえられているなら、包帯はいらないと思い、指包帯をはずしてみる。やはりダメ。執拗に足を気にして舐めてしまう。

 内服薬を飲ませても、今までと何ら変化なし。


治療法その7  (足の殺菌と指包帯)
 今まで使用した市販の動物用皮膚病薬を止めることにした。軟膏状の外皮用殺菌消毒剤か、低刺激の殺菌布で患部を殺菌するだけで、包帯を巻き、指包帯を履かせる。こうすると、いつも足の皮膚が乾いた状態を保てる為。特に皮膚病用の薬をつけていなくても、悪化することなく、治ってくる。

 ただ、たまに、指包帯がゆるかったりして、気がつくとすっぽり抜かれていて足が舐めまくられていることが・・・。その度に振り出しに戻っている。


3件目の病院での診察と処置

 舐めなければ治るというのはよく分かっているが、それがかなり困難で、やはりきちんとした検査を受けたいと思い、電話帳を頼りに「うさぎ」を本当に診られる先生のいる病院を探す。
獣医さんの数が多く、設備のしっかりした病院を見つけ、連れていく。

 体重測定から始まり、まずは体全体の触診。過去の治療内容、過去に斜頚経験がある旨を話すと、耳の掃除と耳垢の顕微鏡検査も行う。肝心の足については、足の皮膚片をスクラッチして顕微鏡検査、同じく皮膚片の細胞を培養しての検査。(培養5日間)
今回は、抗生物質内服薬2種類(液状薬と粉薬)を処方される。足の指包帯も続けたほうが良いとの指導。また、患部は、水で薄めた殺菌・消毒用のイソジンの使用を勧められる
 培養結果を聞く為に翌週再度病院へ。結果は、細菌性・真菌性・寄生虫のどれにも当てはまらず、原因が特定されない。人間でいうアトピーやアレルギーのようなものも考えられる。今回もスクラッチ検査をしたがやはり何も出ず。引き続き抗生物質内服薬を2種類処方してもらう。

 3度目の通院。今回は目も患っている。(←これについては別にあります) 前回とは違う獣医さんが診る。斜頚の件を気にしているようで、この足の症状も、「菌(パスツレラ)が原因しているのでは」と言われる。しばらく抗生物質の投与を続けることに決定


治療法その8  (抗生物質内服薬とイソジンと指包帯)
朝晩2回抗生物質を飲ませ、毎晩患部をイソジンで消毒し、ガーゼで覆って包帯を巻き、さらに指包帯をかぶせる。今のところ、この治療法に落ち着いている。状態は、良くなりつつある。かさぶたも間もなく取れそう。その後、きちんと毛が生えそろうまで指包帯を続ける予定。


治療法その9  (抗生物質内服薬とイソジンと指包帯)
朝晩2回抗生物質を飲ませ、毎晩患部をイソジンで消毒し、指包帯の先端を切って筒状にしたものをかぶせる。夏になった為、その8の内容だと足が蒸れてしまいそうなので、なるべく簡素にしてみた。蒸れ防止に、靴下状の指包帯の先を切って筒状にし、足の先端が出るように改良。最近は、指包帯にすっかり慣れてしまい、執拗にかじったり取り去ることが無くなり、安心している。