うさの耳の異常(斜頚)

1999年2月12日(金)

(症状が出た日なので、時間を追って詳細に書きます。)

AM6:45
  朝食タイム。いつもと変わらないうさ。昨晩のごはんも食べ残しなし。「ごはんくれー」と元気に騒ぐ。

AM11:50頃
うさをケージから部屋の方に出し、ケージ内のトイレを部屋の所定の場所に置く為に一瞬うさから目を離す。トイレの設置が終わってケージ付近に戻ってくると、テーブルの下でうさがドタバタ暴れる音がする。
 「何騒いでるの?」とテーブルの下を覗きこむと、うさが転げ回っている。尋常ではない。良く見ると、眼振(眼が上下に大きく揺れている状態)も。人間でいう「てんかん」のよう。慌てて、うさを押さえつけ、回転を止める。2分ほどで、眼振&回転は治まる。しかし、その後数分間は横になったまま立ち上がらない。ようやく立ち上がってみると、下半身が麻痺している。腰がくだけたよう・・・。さらには首も左に曲がっている

  このホームページの「うさぎ本」紹介の中でも紹介している「うーさん大変記」という本の中で、同じような症例をいくつか読んでいたので、「まさかうちのうさもこうなるなんて・・・」とショック。ただ、先にこんな症状がでるうさぎもいるんだということを本を読んで知っていたことで、すばやく対処できた。

PM12:05
 うさを動かないように落ち着かせ、先月、爪を折ったときに診察していただいた病院に電話。午前の診療が終わっていて、午後は4時からというにもかかわらず、「すぐ連れてきていいです。」と快い返事。キャリーバッグにうさを入れ、体が動かないようにバスタオルやハンドタオルを隙間に詰めて家を出る。

PM12:35
 病院で診察を受ける。まず、頭をぶつけたのか、そうでないのかを聞かれる。
「ちょっと目を離した隙だったが、ぶつけたとは思えない。気になることといえば、ここ最近、やけに木をかじってばかりいた。」と答えると、断定はできないがこういう症状が出た場合、一番に考えられるのは「耳の病気」ということで、まず耳を疑って診察してもらう。
 耳の中にライトを当てて除くと、奥に少々汚れが確認できた為、綿棒を入れてみる。(この際の綿棒に、アルコールはついていない。個体によって、アルコールでショック症状を起こす場合があるらしい。)綿棒を取り出すと、先のほうが黄色くなっている。ただ、うさが耳の奥にものを突っ込まれるのを嫌がって暴れる為、それ以上は無理に処置せず、耳の中に液体の薬を数滴「点耳」する。

 断定できないが、とりあえずは耳を疑うということで治療方針が決定。薬を3種類いただく。

  1.液体状の点耳薬 1日1回 両耳に3滴ずつ
  2.抗生物質のシロップ状飲み薬1日1回 0.5cc
  3.液体状のステロイド剤飲み薬1日2回 0.2cc  3日目以降1日1回
                                5日目以降2日に1回を4回

 それぞれ病院で先生に実際に投与してもらい、投与の方法を指導していただく。

PM1:30
 家に帰ってからのうさは、下半身が思うように動かないのが自分でもショックのようで、ケージの隅でうずくまる。たまに立ち上げるが、下半身に震えが走り、よろけてしまうので、動きたくても動けない。よろけたときにケージに体がたたきつけられて可愛そうなので、ケージの角にバスタオルでガードを作ってやる。また、いつものトイレだとジャンプしないと入れないので、それを外し、ケージの床にペットシーツを敷く。いつでも部屋に出てこられるようにケージの扉は開けておく。
 水を与えると飲める。レタスをひとかけら与えると食べようとする。でも、口も思うように動かないようで、いつもの口の回転の半分以下の速度。

PM4:30
 買い物に出かけ、うさが好きなりんごやレタスを購入。家に帰って野菜を冷蔵庫にしまっていると、ようやくケージからうさが出てくる。(普段から冷蔵庫を開けると何か貰えると思って、足元にすっ飛んでくる)腰が少々麻痺しているようで足元がおぼつかず、さらに首が曲がっている方向の左に左に体がいってしまう。それでも私の足元までやって来た。動きはつたないがいつものうさの行動に感激。いっぱい誉めてやる。かがみこんで、頭をなでながらうさの目を見て「うさちゃん頑張ろうね。絶対治るよ。」等と話し掛けると、言葉の区切り区切りに口をカウカウカウとしてお返事する。うさが一番つらいんだろうなと感じる。 冷蔵庫につられてケージから出てきたところをみると、食欲は落ちていないようで安心。こういう場合食べなくなるケースが多いらしい。
 この時点で、うさの耳が異様に熱い事に気付く。やはり耳の病気か?

PM6:30
 食事の時間。いつもと同じメニュー・量のごはんを与える。迷うことなく食べる。口の回転もほぼ平常の速さに戻っている。首の曲がりもさほど気にならないくらいに回復。ただ、ペレットを口にし、噛んでいると、どんどん首が左に左に曲がっていってしまう。下半身の状態はあまり変化なし。

PM10:00
 ステロイド剤のみ1日2回投与の為、2回目のお薬タイム。シリンジ(注射器の針のないもの)で0.2cc与える。その後、全身マッサージを施す。体の背骨に沿って、軽い指圧とくるくるマッサージ。さらに、走っているとき腰のあたりで体が左に湾曲するので、その部分を軽く押さえて左右に体を揺らす。

うさ自身、戸惑っているのが良くわかったので、今日はできる限り話しかけたりなでたりしました。ちょっとでも安心してくれれば、「頑張って治そう」と思ってくれれば、という願いを込めて。本で読んだ症例では、首の曲がりが残ってしまったとか、半身不随になってしまったとか、完治した場合でも1ヶ月やら半年やらかかったとか・・・。とにかく、簡単なものではなさそうだと覚悟しています。また元気にぴょんぴょん走り回れる日が早く来ることを祈ります。


1999年2月13日(土)

昨晩は、夜中に発作が起きるのではないかと心配しつつ就寝したが、朝起きて真っ先にうさを見舞うと、よろよろと近寄ってきたので安心した。昨日よりは動きが良い。食欲も正常。 硬いものでも普通に食べれる。

  午前中に1回目のステロイド投与。
 
 ケージの扉を開けておくが、出ようとしない。やはり体が不安定なのか。扉を閉めて、ぴーちゃんを部屋に出す。ぴーちゃんには、つられるかと思ったが、やはり無関心。いつもなら、ケージ越しに鼻先をなめ合っているのに。
 夕方までケージ内であまり動き回ることもなくじっとしていた。夕方、昨日と同じ作戦決行。ケージの扉を開けても出てこないうさだったが、「冷蔵庫ガサガサ作戦」にひっかかる。足元までやってきた。走り方(正確には走るというほどの動きではない)は、昨日より体の曲がりは少ないが、やはり左に体が引っ張られるような感じで湾曲していて、どたっどたっと歩みはのろい。下半身の震えはなし。首はやや左に曲がっているという程度まで回復。但し、食事をしているときは、相変わらずどんどん左に曲がってくる。

  夜、2回目のステロイド、点耳薬、抗生物質の投与。さらに、昨日と同じマッサージ

  今日1日も、できるだけ体に触り、話しかけた。


2月14日(日)

食欲・排便ともに良好。朝起きるとケージをガウガウかじってごはんを要求。調子は良いよう。ケージからもすぐ出てくる。歩行はさらにスムーズになったように感じる。見ていると毛づくろいもそこそこできている。体をひねって背中をペロペロ、片足をあげてかかとをペロペロ、耳だって両手ではさめる。ただ、それがスムーズなのは右半身。左半身は、少々不自由そうで、何度もバタっと倒れながらやっている。それでも随分な進歩だ。
 夕方、走る。歩幅は小さいが、うさぎらしくぴょんぴょん跳ねている。体は少々湾曲しているが、思った方向へ行くのが楽になっている。首も曲がっていない。すごい回復力。
 
 バレンタイン・デーなので、ハート型のりんごと人参をプレゼント。飛びついて食べるが、やはり首がどんどん左に曲がってくる。 
 
 夜、薬の投与。点耳薬、抗生物質、今日からは1回だけのステロイド剤。マッサージも行う。


2月15日(月)

 相変わらず食欲・排便絶好調。今朝は、ごはんをねだるのに、ケージの扉に手をかけて立っている。随分調子が戻ったかな?
 午前中、ケージの扉をガウガウかじって、「外に出せ」とアピールする。まえの元気なうさと何ら変わらない様子。ケージ内でのフットワークも良い。
 ケージから出して、動く様子を観察。体の湾曲がほとんど感じられない。ごはんを食べているときも、首が曲がってこない。 伸びをする。手と背筋はぴんと伸びているが、足までは伸びをしていない。まだ下半身はちょっとおかしいらしい。
 日向でマッサージをする。あたたかで、かなり気持ち良くなったのか、マッサージの手を止めた途端に、バタっと横になって寝る。 普段のトイレに無理なくジャンプして入れるようになる。
 
 夜、薬の投与。点耳薬、抗生物質、ステロイド剤
 
 ほぼ、元気なうさに戻っている。


2月16日(火)

AM3:30頃、タン!タン!の音で起こされる。ぴーではない。どうやらうさが出した音らしい。病気になってから、得意の「ぷー」(鳴き声)「たん!」(足鳴らし)を一度もしていなかった為、これが「初タン!」となる。何故タンタンしたのかは不明。以前から、朝方3時とか4時ごろに一定間隔で「タン」、「タン」とすることがあった。うさには、私に見えない何かが見えているのかしらと思っている。とにかく「タン!」ができた。
 食欲・排便良好。昨日と同じく調子がいい。無理なくまっすぐにぴょんぴょん走れる。つま先までぴーんと張って伸びができている毛づくろいも、左右ともにふらつかないでできている。さらに、嬉しい時の垂直ジャンプも1回確認。もう、もとの元気なうさと変わらない。
 
 ほぼ、治ったとみられるが、症状が出てからまだ4日しか経っていない為、まだ気を抜けない。
 
 夜、薬の投与。点耳薬、抗生物質、ステロイド剤。マッサージも続ける。


2月17日(水)

 今日1日、様子を観察したところ、不安な箇所は全く見当たらない。薬の効果で押さえられているのか、完治したのか解りかねる。
 
 夕方、治療していただいた動物病院に電話確認。「ステロイド剤の投与について当初説明を受けた期間内は、手元にある薬を与えてきってください」との返答。
 ステロイド剤は昨日から2日に1回与えることになっている。今日はお休みの日。残りは18・20・22日に投与予定。以上で終了。あと5日間は抗生物質・点耳薬も投与しなければ。
 
 夜、抗生物質と点耳薬の投与。さらに、昨日から、整腸剤も与えている。抗生物質を与えるときは、腸の動きがおかしくなることがあるので、整腸剤を与えたほうが良いらしい。(ヨーグルトでも可)マッサージも続ける。
 今日は、初めてステロイド投与を行わない日なので、明日が少々心配。


その後

今のところ非常に元気!元のうさに戻っています。後遺症も全くなし。2/21現在、病院の先生に言われた通りに、薬の投与を続けています。また、マッサージも。
 薬の投与を止めた時点でも、この状態が持続してくれれば良いと願っています。


症状が出る前の状態&原因推測
  • 発病の1週間前くらいから、やけに「かじり木」をかじっていた。歯か伸びたのかと思っていたが、今思うと耳が変だった?(耳鳴りがしていた、若しくは、痛かった)

  • 発病の前日、何度も「くしゃみ」をしていた。スナッフルで体の抵抗力が落ちていた為に、菌が入り、脳の神経を侵したのかもしれない。

 今回の件は、以上のようなうさの信号をちゃんと理解してあげられなかった私にも原因があります。

  うさが麻痺や首の曲がりが残らずに完治できた理由は、発作が起こったときに早急に対処できたこと、病院の先生の処置が有効だったこと、何よりもうさ自身の頑張りだと思われます。もし、留守中に起きていたら?と考えると非常に怖い気がします。末永く一緒に暮らして行く為に、今後も気を抜かずに見守っていくつもりです。