PARTW〜うさぎの必需品 食事編

 うさぎの食べ物は通常大きく分けて5種類。ペレット、牧草、野菜、果物、水。 牧草と野菜だけでは1日に必要な栄養がなかなか摂取しきれませんが、現在はペレットという便利なごはんが手に入ります。 食事は毎日採るもの。間違った食事は病気や死を招きます。 人間の与えるものしか食べられないうさぎさんですからめいっぱい気をつかいましょう!
 ここでは、うさぎの食についての基礎知識をまとめてみました。食べて良いもの、悪いもの、それが何故良いのか、悪いのか・・・ 参考までにいくつか例を挙げてご紹介します。



基本食は1日2回

 ごはんの回数は、一般的に一日二回。朝晩時間を決めて与えます。 朝より夜の方が少し多めに。残してあったものは迷わず捨てましょう。体調不良で残したのか、量が多すぎて残したのか、様子を観察することも重要です。我が家のうさぎ達の食事について、どんなものを食べさせているのかな?と気になる方は「Life〜ぴーしゅーお食事編」に詳細を載せていますので、そちらをご参考までにどうぞ。


ロングティモシー

牧草

 牧草は種類や形状が様々なものが手に入ります。うさぎには欠かせない食べ物ですので 必ず用意しましょう。牧草を食べることによって、一生伸び続ける歯を適度に消耗させる効果がある上、うさぎに欠かせない繊維質もしっかりと摂取できます。市販でよく見かける牧草の種類は2つ。ティモシーとアルファルファです。
  ティモシーは 短くカットされたタイプと、長いままのロングタイプがあります。食い付き的にはロングが断然いいですが、ごはんの容器に入らないので、牧草入れが必要になるかもしれません。ティモシー牧草は、いつでも好きなだけ食べさせてあげましょう。但し、品物によって食い付きに差が出ますので、与えても食べない場合は、根気良く食べるものを探しましょう。
ロングの場合でも、最近は2番刈り、3番刈り、4番刈り、というものも売られています。葉の柔らかさやストロー部の太さが色々異なりますので、嗜好も様々。。
  アルファルファの牧草は比較的どのうさぎも食い付きが良く、受け入れられる場合が多いです。しかしアルファルファとはよくサラダに入っている小さくて細いもやし状のもの。要はマメ化の植物ですので栄養価も高く(カルシウム・蛋白質含有量が多い)栄養を多く必要とする子うさぎや妊娠中・授乳期の母うさぎに向きます。反面、一般的な成兎には栄養過多といわれ、与えすぎは禁物です。
 上の2つ以外にも牧草の種類はいくつかあります。
我が家ではスーダンもお気に入りの牧草です。オーツ、クレイン、バミューダ、オーチャード、イタリアンライ…色々ちょっとずつ試してみるのも良いでしょう。


ワンポイントアドバイス
 ティモシーの場合なら、与えすぎの心配はありません。アルファルファを食べ慣れると、なかなかティモシーへの切り替えが出来ない子もいます。どちらをどのように与えるか良く考えて選びましょう。





ペレット

 犬にドッグフード、猫にキャットフードとあるように、うさぎにもラビットフードがあります。円柱状なのでそれを一般的にペレットと呼びます。うさぎの総合栄養バランス食=カロリーメイト的なものといえるでしょう。但し、ペレットだけ与えていると、繊維不足で毛球症や下痢の原因にもなりかねませんので、必ず牧草も与えます。主原料はアルファルファかチモシーです。
 ペレット以外に野菜や果物等を与える場合は、その量に応じてペレットの量を減らします。
  最近では、ペレットの種類が豊富になり、うさぎの成長に合わせた商品が多数販売されるようになりました。
子うさぎ向けにはアルファルファ主原料でうさぎの成長を考えたもの、大人向けにはアルファルファ&チモシー原料のもので栄養価も見合ったもの、老年向けにはチモシー原料で、そこに免疫力アップのためのアイテムが加えられた健康維持に役立つもの…というような感じです。うさぎに合ったものを与えましょう。

※アルファルファとは、豆科の植物。高たんぱく、高カルシウムですので、仔うさぎや妊娠中や出産後の親うさぎ向き。普通の大人うさぎさんにはあまり大量に摂取させたくはないものです。 
ペレットSHOW FORMULA

ワンポイントアドバイス
 様々な種類のものが販売されていますが、内容をしっかり吟味して選ぶことが重要です。購入の際の最低限の選びかたは、明確な成分表示と賞味期限が記載されているもの、繊維質が多いもの、カルシウムが少ないもの(←大人うさぎには)を選ぶということです。良いフードでも、専門店等で小分け販売している場合、成分表示のシールがない場合 もあります。





 野菜・野草・ハーブ・果物には、食べて良いものと悪いものがあります。栄養価の面で注意すべきものもあります。飼いうさぎは「これは食べてよい、これは悪い」と判断する本能が弱っていますので、気に入れば何でも口にしてしまいがち。人間側が良いもの悪いものをきちんと理解する必要があります。

ワンポイントアドバイス
 野菜、野草、果物を与える際は流水でよく洗ってからキッチンペーパー等で水気をふき取りましょう。無農薬野菜の場合でもそのまま与えないように。無農薬野菜には、虫の卵が付着している可能性大です。
  数年前、野菜や果物の農薬を除去するという農薬除去パウダー(商品名は伏せます)なるものをサンプル請求し、試してみたことがあります。説明書きに書いてあるように農薬の成分が浮いたような状態になり、これが農薬なの?農薬がちゃんと取れたのかしら?と驚きましたが、『手荒れする場合がある』『強アルカリ性で食べるカルシウムではないので、絶対にそのまま口にするな。万一、粉末を吸い込んだり、目に付着した場合はすぐにうがい・洗浄をしろ』みたいな注意書きがあったので、ちょっと強いものなのかもしれません。そう思うと、今度は農薬が取れたあとにその商品の成分をきちんと洗い流せるのかがちょっと怖くなったので、その後商品を買い求めるには至りませんでした。農薬に過敏な方はお試しして良し悪しを判断してみてはいががでしょう。



一般的な野菜

緑黄色野菜
 小松菜・人参・大根葉・かぶ葉・春菊・チンゲン菜・ケール・モロヘイヤ・ブロッコリー・パセリ等は比較的受けが良いものです。その他、かぼちゃやプチトマトも食べます。但し、小松菜・大根葉・パセリ、モロヘイヤ等、カルシウム含有量が多いものは量は控えめに。カルシウム摂取量が過多になると膀胱炎、結石等の病気になる場合があります。 更にパセリには覚醒作用があると言われ、大量には与えないほうがよいそうです。

00/06/17追記:我が家のぴーちゃん(このとき5歳)、子宮腺癌摘出手術後の食欲低下時に小松菜やパセリならよく食べました。だから、術後しばらくは普段なら与えても小松菜1〜2枚、パセリ1/2枝くらいだったものを小松菜1株、パセリ1枝くらいを毎日与えていたのです。元気になった後もそのまま毎日のように小松菜、パセリを与えていたら、尿がカルシウム過多になってしまいました…。搾り出すように少量の白濁した濃い尿をし、お尻の周りにはその濃いおしっこがついてややハッチバーン状態。病院で先生に食事指導を受けました。ペレットは低カルシウムのものに変え、カルシウムの多い野菜は極力控えるように、と。食事改善したら割とすぐにお尻のまわりがきれいになりました。おしっこもさらさらに。皆さん、ペレットのカルシウムだけでなく、高カルシウム野菜を与える量にも注意しましょうね。特に高齢のうさぎさんは。
 
淡色野菜
 レタス・キャベツ・白菜・セロリ等は、水分がメインであまり栄養価が無いので、水分補給やおやつと考えた方が良いかもしれません。ただ、Ca値も低いので、Caの気になる子には良い野菜でもあります。与える時は下痢にならない量を様子を見ながら決めて与えましょう。
 他に、大葉・三つ葉・セリなどもうさぎにはうけのよいものです。

ドライキャロット・キャベツ
乾燥野菜
 人参、キャベツ、数種野菜のMIXのものなどが一般に販売されています。 ちゃんと無農薬ものが多いです。油分の無いただ乾燥させた状態のものを選びましょう。  


与えてはいけない野菜

 野菜はアクの強いもの、刺激のあるものは与えてはいけません。
例を挙げると、ねぎ・たまねぎ・ほうれん草・にんにく・にら・唐辛子・チャイブ等。

 ねぎ系に含まれるアリルプロピール・ジサルファイドは血液中のヘモグロビンを酸化させ、結果赤血球を破壊する為、溶血性貧血を起こす危険が!アリルプロピール・ジサルファイドは加熱しても毒性は消えないので、生でも加熱後でも絶対にダメです!
 ほうれん草にはシュウ酸が含まれます。これがカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムを形成することにより、骨へのカルシウム沈着が阻害され、骨格の健全な形成がなされません。サラダほうれん草の場合なら多少は与えても大丈夫です。


注意を要するもの

 芋・豆類は与えすぎるとお腹がゆるくなる原因にもなります。
 ドライナッツや種子類は脂肪過多で、腸内細菌のバランスを崩すと言われています。更に、一般にナッツ類はリンを多く含んでいるため、尿石のもとになるとも言われます。 ピーナッツの殻に生えるカビのアフラトキシン (アルファルファやトウモロコシにも生える)はうさぎに有害ですので最要注意。


野草

 野草ならタンポポ・オオバコ・ハコベ等。春にはクローバーなども良いですが、アルファルファ同様にクローバーもマメ科の植物ですので与えすぎは禁物。ワラビやゼンマイは、ビタミンB群を破壊するので避けましょう。 何かわからない野草は絶対に食べさせないこと。


ワンポイントアドバイス
 野草を摘む際には、場所をよく吟味しましょう。犬の散歩道沿いや猫の通り道 では、排泄物や寄生虫が付着している可能性があります。また農薬散布されている場所もあります。我が家の野草摘みポイントは、車が通らない(一般道ではない)河原沿いで、更に犬猫が歩けない急斜面の土手です。


ハーブ

 スウィートバジルや、ミント系のもの、シソ、パセリ等は喜んで食べる子が多いようです。
ハーブについては、ネギ科のチャイブや、ガーリック等の刺激物以外はたいてい食べても良いとされていますが、中にはパセリのように大量摂取すると覚醒作用があるものも無いとはいいきれませんので、量としては少量を与えましょう。


果物

 果物はたいてい食べますが、予想外に糖度が高く水分が多いので与えすぎに注意。一般うけするのはリンゴ・バナナあたり。量に注意して与えましょう。 バナナは表面に黒い点々が出てきたくらいのものがお勧め。免疫力を高める作用があるらしいのです。バナナは免疫システムを活性化させ(免疫増強効果)、ガンの予防だけでなく治療効果までもあるといいます。(帝京大学薬学部 山崎正利教授、東北大学農学部 大久保一良教授らの研究) マウスによる実験ではTNF(腫瘍壊死因子)の産出量が100倍以上増加、白血球数も約20倍増加、その質と働きも強化されたとのこと。
好きな果物

ワンポイントアドバイス
 特に換毛期や長毛種には、お腹に溜まった毛玉を溶かす為に、消化酵素を含む果物を与えるのも良いでしょう。パイナップルにはプロメリン、パパイヤにはパパイン、キウイにはアクチニジン、イチヂクにはフィシン、メロンにククシミン、と消化作用のある消化酵素が含まれています。一般的にプロメリンとパパインが速度的に優れているといわれています。但し、これらは必要以上に与えると胃腸を荒らしたり、水分の過剰摂取で便がゆるくなる恐れがありますので適度に。


与えてはいけない果物

 鳥類や犬猫に言われるように、うさぎにもアボカドは与えない方が良いでしょう。アボカドの種、皮、葉、茎等に危険な成分が含まれると言われていますし、果肉は脂肪過多です。
以前、実際に何も知らずにアボカドの種を食べさせてしまい、愛うさぎを亡くしてしまったという悲しいご報告を受けました。病院で解毒の処置していただいても間に合わなかったそうです。くれぐれも注意しましょう。
 桃、杏、サクランボ、梅、リンゴ等の「種」も与えてはいけないものです。含有成分アミグダリンが呼吸困難、心臓麻痺をおこす可能性があります。


パパイヤ、クランベリー 乾燥果物(ドライフルーツ)

 野菜同様にうさぎ用のドライフルーツ(パパイヤ、パイナップル、イチゴ、キウイ…)やドライチップス (リンゴ、バナナ等)が販売されています。人間用のドライフルーツを与える場合には、加糖されていないものに限りまず。但し、どちらでも与えすぎは肥満のもとです!
購入の際には無添加の商品を買い求めましょう。原材料をよくチェック。うさぎ専門店で売られるフリーズドライの苺やりんごの商品や、製菓用品として売られている油分を使用していないドライフルーツが安心です。
  パパイヤには他の果物と比較して極めて優秀な消化酵素「パパイン」が含まれるので、毛球症予防に効果があります。
  ワイルドブルーベリーにはガン予防、抗ガン作用、心臓血管活動の改善(老化防止)、視力改善など、健康につながる活性酸素抑制作用があります。
  クランベリーには抗ガン作用、尿路感染症(結石等)予防効果があります。







  未だ「うさぎに水はダメ」と思ってる人間も多いですが、うさぎも普通に水を飲みます!いつでも新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。 野菜や果物を多く与えている場合には少なくても済みますが、乾いた牧草やペレットを食べると喉が乾きますので、まとまった量の水を飲みます。その際、床にこぼれたりすることの無いように注意が必要です。
水(ウォーターボトル)

ワンポイントアドバイス
 高級なペット用ミネラルウォーターも売られていますが、必ずしもそういった商品を与える必要はありません。数年前、一部のペット用ミネラルウォーターに、不純物が混じっているものが多いという話がありました。カビ等が浮遊していないかどうかちゃんと見てから与えましょう。人間用のミネラルウォーターはカルシウムの含有値が高いものも多いので、あまりお勧めしません。我が家では禁止アイテムです。
水道水でも充分だと思いますので、水道水をできれば浄水器を通すか、それが無い場合は3分以上沸騰させてカルキ抜きしたものを与えられると良いでしょう。





お菓子

  うさぎの「おやつ」という名のお菓子がたくさん市販されています。しかし、本来与えるべきものではありません!うさぎのクッキーには想像以上の量のカルシウムが含まれていたり、高カロリーだったりします。でも、うさぎとのコミュニケーションをはかるには便利なもので、我が家でもすっかり習慣づいています。与える際はごくごく少量に。 これからうさぎを迎える場合なら、はじめから与えないことをお勧めします。お菓子ではなく、乾燥果物や野菜をおやつとする習慣をつけましょう。また人間用のお菓子はうさぎにとって、塩分、糖分過多ですので避けましょう。。

ワンポイントアドバイス
 あまり与える人はいないと思いますが、チョコレートは中毒をおこすと言われています。一般にカフェイン中毒ともいわれますが、他にもチョコレートに含まれるテオブロミンは強い毒性があり、目安として体重1kg当たりテオブロミン85mg以上摂取すると危険です。ダークチョコレートは特にテオブロミンの含有量が多く、100g当り1600mg前後含まれます。